●珈琲の抽出は、80年代に結論が出ており、科学的な根拠に基づいた美味しい抽出法としては、「漬浸法」が一番理に適っています。
●漬浸法 代表的な器具には、カフェプレスがあります。
①10g粉を入れる
②180cc.沸かしたてのお湯を入れる
③4分待つ。それだけ。
カフェプレスがなくても、下記の方法で簡単にプロより美味しいコーヒーが淹れられます。昔、珈琲が美味しかった時代に日本人がやっていた方法です。
①お鍋に粉を10g(ネルの場合は、12g)入れます。
②沸かしたてのお湯を180cc.入れます。
③4分間漬け込みます。
④茶漉しかネルで濾します。
たった、それだけ。
目安は、180ccのお湯に対して10gの粉の量です。
ネルの場合は、180ccのお湯に対して12gの粉の量です。
茶漉しでは粉っぽい感じが出ますので、それが苦手な方はネルで濾して下さい。ネルですと、コーヒーオイルは0.数%しか出ませんがそれを感じとれる舌を日本人は、ちゃんと持っています。灰汁をきれいに取った後の出汁の旨味の好きな日本人にはネルが向いていると思います。
下記の3つの事だけを覚えて置いてください。
①酸味・旨味甘味・苦味えぐみの順に成分が出てきます。
②湯温が高ければ高いほど全部の成分が速く出ます。
③粉が細かければ細かいほど全部の成分が早く出ます。
つまり、苦味やエグミが出てくる前のぎりぎりを狙うと旨い珈琲が淹れられるというワケです。それが、正しく挽かれた粉であれば、4分間と言う事になります。
粉の細かさが揃っていないと、それぞれの味が出てくる速度がばらばらになります。家庭用のミルでは、細かすぎる粉と粗すぎる粉が混ざり合っていますので、時間を短くするか、粗めの粉をタップリ使って時間を長くするなど、工夫して、苦味やエグミが出ないぎりぎりを探して下さい。)
湯温、粉の細かさ、粉の量、漬け込む時間で、自由自在に安定的な味つくりが出来ます。
抽出後5分以内に沸かし直して熱々をどうぞ。
珈琲の抽出液は、5分以上経つと酸味の質が変化してスッパミに変わります。そうなると沸かし直しても駄目です。酸味の少ない珈琲を選ぶと、時間が経っても味が変わりにくいです。
漬浸法は、美味しいだけじゃなく、エコにもなります。
漬け込んで4分間待って濾すといつも安定して美味しい珈琲が淹れられます。4分間待って濾すと言う作業もとても愉しい時間になり、生活を豊かにしてくれます。そして、その上で、地球の緑も豊かにしてくれる漬浸法。昔の日本人の知恵が、現代になって科学的に立証されるとは、本当に日本人は素晴らしい!何千万円もする機械と同じ性能を味覚として備えていたことになります。
2012-01-04 22:20