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百合珈琲店について

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左は1960年開業当時のお店の写真です。

私の父、百合敏夫は、母の着古したコートを手付金代わりに、小さな喫茶店を大阪で始めました。

母の名前「百合加代子」の 頭文字の「ユ」と「カ」を取って、「ユカ」と名づけた、二坪ちょっとの小さな喫茶店は、自家焙煎珈琲を出す珍しいお店として賑わい、「片づける暇も無くお客様の足元に落としていったおしぼりが、閉店の頃には山のように積まれ足の踏み場もなかった」と言います。古き良き時代・・・ですね。

ここ宝塚にお店が移ってからは、40年ほど経ちます。

焙煎技術も確立していなかった頃に大変な苦労をして作り上げてきた珈琲を、そして、今では作られなくなった厚釜の焙煎機をずっと守り続けて行きたいと、1999年に娘の私、久保田千佳が後を継ぎました。

親子2代に渡って、蕁麻疹が出るまで、血を吐くまで、飲んで、研究する日々が続きました。試行錯誤して、結局たどり着いたのは、「昔ながら」のものでした。

昔ながらの手間ひま掛けた珈琲豆。昔ながらの厚釜焙煎。昔ながらの焙煎法。昔ながらの抽出法。これからも「昔ながら」を守り続けたいと思っています。

当時使っていた「のれん」と「振り子時計」は、
今も店内に飾られ、新しい時を刻んでいます。


                  2代目roaster   久保田 千佳

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